罠(最終章)
投稿者:ひでき
2009/5/10(日) 16:58:55 No.1906
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暫く放心状態が続いた絵里は立ち上がり、足をふら付かせながら浴室へ向かった。 シャワーを頭から浴び、涙を流しながら男が吐き出していった膣の中を洗い流す・・ 自ら指を入れ、掻き出す様に男の精液を洗い流す・・・ シャワーを浴び終え、散乱した下着とキャミソールを洗濯機に入れ洗濯を始めた。 新しい下着で身を包み、キャミソールを再び着た。 白い下着に白のキャミソール・・・汚された身体を白で包み込みたかった気持ちだったのだろう。 気持ちが安らぐ事なく絵里はベッドに横たわっていると玄関の方からインターホンが鳴った。 ピンポーン、ピンポーーン… 身体を強張らせ身を丸める絵里。 『絵里ちゃん?まだ居ないの?俺だよ、高梨だよ。ねぇ、絵里ちゃん』 「た、高梨さん!?」 絵里は玄関と扉を開き、目の前に立つ俺の姿を見て泣き始めた。 『え、絵里ちゃん…どうしたの?何があったの??』 涙を流し、肩を落とす絵里を部屋の中へ連れて行く。 絵里は俺の質問に何も答えず、黙ったままだった。 俺も何を言ったら良いのか分らず、部屋に沈黙が漂わせる。 『えっと…シャワー、ねぇ、シャワー少し借りても良いかな?』 絵里は頷き、俺を浴室まで案内してくれた。 俺は背広を脱ぎ、全てを脱いでシャワーを浴びている。 俺の脱いだ物を絵里はシワにならない様、部屋に持ち帰りハンガーに掛けてくれた。 すると、俺の背広のポケットに入れてあった携帯電話がメールを受信した。 普段の絵里なら決して取る事の無かった行動を取ってしまった。 携帯電話をポケットから取り出し、絵里は俺宛のメールを無断で読み出した。 そしてメールに書かれていた内容に仰天した絵里は携帯電話を床に落とした。 【穴兄弟へ。お前が言う通り、あの女、全然喘がないな!】 【まぁ、締りは良かったから良かった様な物の…】 【いつまで正体隠しておくつもりだ?もしかしてこのまま隠し通すとか!?】 【あまり引っ張ると面倒になんぞ!そうそう、お前が来た時スゲー締り具合だったぞ(笑)】 俺はシャワーを浴び終え、絵里の居る部屋に行った。 『あ、ありがとうね。スーツ掛けてくれたんだ。さんきゅッ!』 俺は床に落ちていた自分の携帯に気付いた。 『それ、俺の携帯?どうしたの??』 携帯を拾い中を見るとメール本文が表示されていた。 『そう…で、これ見たんだ?』 「ベッドの隅に逃げる様に身を縮み込ませ、首を何度も振る絵里・・・ 『なぁ、見たんだろ?全く余計な事をしてくれちゃって……』 手に持つ携帯使い電話をし始める俺。 『あ、俺だけど〜何か、今メール送ったろ?それ、絵里の奴が見ちゃってさ』 『うん・・うんうん……分った今から来るのね。はいよ〜待ってるよ』 絵里の居る方を振り向き俺は笑みを浮かべて言う。 『直ぐに来るってさ。絵里の中に出した男がまた会いに来るってさ〜』 絵里は慌てて玄関に走り出した。
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