妄想
投稿者:四葉
2010/4/19(月) 19:47:54 No.3173
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新学期を向かえ、早々と3年生は進路相談を行う事になった。 毎日、放課後に出席番号順に生徒が担任に呼ばれていた。 そして最終日となる今日、ようやく私(渡辺里菜)に順番が回って来る。
私はこのクラスで出席番号が一番最後の為、教室に残っているのも私1人だった。 ガラガラーーッ、教室の扉を開いたのは友達の麻美だった。 「麻美ぃ、メッチャ長かったじゃん!あんま遅いから帰ろうかと思っちゃったよぉ(笑)」 「あれ?麻美どうしたの??何か元気なくない?」 どう見ても麻美の様子がおかしかった。 話し掛ける私を見ようともせず、目を合わせようとすると視線を反らされた。 「ねぇ、何かあったの?黒川に何か言われた??」 う!!ううん!!な、何も。 『おーっ!渡辺っ、次は最後のお前だぞぉ?早く来い』 担任の黒川が私を呼びに来た。 「じゃ、麻美!ちゃちゃっと済まして来るからさ」 「一緒に帰ろ♪待っててね」 あっ!りっ、里奈っ!! 「ん?何ぃ??」 『渡辺ッ!早くしろッ!!』 「ヤバッ!黒川が呼んでるからもう行くね」 この時、麻美が私に何を伝えたかったのか全く気にも留めなかった。 私は担任の黒川が待つ、指導室へ向かった。 指導室の扉を開けると、そこには黒川の姿は無かった。 「あれ?誰も居ないじゃん」 「人を呼んでおいて自分が居ないってどう言う事ぉ??」 取り合えず、席に座って待っていようと中央にある椅子に座った。 私と机を挟み真向かいには黒川が座る椅子が用意してあった。 そして、その机の上には生徒の進路希望を記したと思われるファイルが置いてあった。 「これって…見ちゃマズいよね……個人情報とかプライバシーとか…」 「皆は進路どうするんだろ…」 私は麻美や他の友達がどんな進路を希望してるのか無償に気になっていた。 「ちょっと見るだけなら…」 抑えきれない気持ちから私は机の上に置かれていたファイルを手にしてしまった。 分厚いファイルをパラっと捲ってみた。 「え!?な、何これ…………………嘘…」 なんとファイルの中には生徒達の下着や裸の写真が所々に添付されていた。 中には涙を流している子や、黒川のモノを口に含まされている子の様子が写されていた。 「み、美香ッ!詩織ぃ!加奈まで…」 「こ、これって合…成だ……よ…ね?」 「ま、麻美は?」 私は今さっき終えた麻美のページをパラパラと捲っていった。 すると、麻美の所には写真が1つも添付されていなかった。 ファイルを見て1つ気付いた事が全員の写真には共通点があった。 それは、立った状態での下着姿と全裸の写真が必ずあった事。 このまま此処にいると私もあんな目に合うのかと思うと怖くなった。 私はこの場から逃げ出そうと慌てて指導室から出ようとファイルを置き扉まで走りだした。 ガチャ……… 『お?待たせたな。じゃ始めようか』 『ほら、こんな所に突っ立てないで席に座れよ?』 「あ、あの……」 『ん?どうした??何かお前顔色が良くないぞ?』 頭の中が混乱したり真っ白になったりパニック状態に陥ってしまった私。 『お前で最後だから今日やらない訳にも行かないからなぁ…』 『直ぐに済ますから取り合えず席に着いて』 逃げ道を塞がれたように思えた私は足を震わせながらゆっくりと椅子に向かった。 黒川が先に椅子に座り私を見つめている・・・ 『おいどうした?立ってないで座ったらどうだ』 「は、は、、、、ぃ」 私は震える膝を押さえながら椅子に腰を落とした。 座ってからも足の震えは収まらず、震えている事を黒川に気付かれまいと必死に足を押さえ込んでいた。 『じゃ、始めるとするか』 『ん?』 黒川が机の下に手を潜らせ一枚の紙を取り出した。 「!!!!?」 黒川が拾った一枚の紙はファイルの中身だった。 私がさっき慌てて置いた時に中身が抜け落ちてしまった事に全く気付かなかった。 『渡辺?この〜ファイルの中身…見たとか?』 「みっ、みっ、、見て、、、見てなんか、、、いま、、いませ、、、ん」 黒川は椅子から立ち上がり私の前に歩み寄った。 「ひぃっ!!!」 一瞬手を出されるかと思った私は怯え、思わず身を縮込ませてしまった。 しかし黒川は私に触れる事なく、私の目の前を通り過ぎて行った。 体をブルブルと震わせながらも視線を黒川へ向けると、黒川は扉の前で立ち止まった。 そして、ガチャガチャ・・・・・・・・・・ 指導室の扉の鍵を閉め、私の方に振り向いた。 『見たんだな……………………』
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