投稿者:四葉
2011/2/20(日) 18:07:59 No.3411
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打ち合わせを終えた私は昼食を取ろうとした所、携帯電話が見当たらない事に気付いた。 きっと打ち合わせ室で落としたんだろうと、携帯電話を探しに戻った。 すると室内を片付けをしていた私と同期入社の木下が居た。
『あれ?優奈ちゃんどうしたの?忘れ物??』
私はこの男に名前で呼ばれるのが物凄く勘に触る。
「だから名前で呼ばないでっ!」
この木下と言う男は入社してから女性社員との噂が多かった。 他の同僚の男性社員からも昨日〇〇ちゃんと・・・等と耳にした事もあった。 こんな男から以前、私も口説かれた事もあったがバッサリと断った。 どうも木下は私の様に少し気の強い女性は苦手だったらしく それ以来、私を口説こうとして来なかった。 木下みたいな男なんて絶対に認めない! 多数の女性に手を出しては、それを自慢げに話す男なんて有り得ない!!
『んもぉ、相変わらずトゲ出しまくりじゃん。そんなんじゃ男が寄り付かないぞ』 「余計なお世話っ!!」
私は苛立ちながら自分の座っていた辺りに携帯電話が落ちてないか探した。
『ねぇ、何を探してるのさーっ』 「…………………………」
木下の存在、そして見当たらない携帯電話に私の苛立ちは高まった。
バンッ!!
扉を強く閉め、私は食堂へ向かった。 丁度、食堂には私の携帯電話の番号を知っている佳代が居たので事情を説明し電話して貰った。 コールはしてるが全く出ないと佳代が言う。 誰かが拾えば出る筈だと思うが、出ないと言う事はまだ何処かに落ちたままだと予想していた。 正直言うと誰かに拾われたくない事情が私の携帯電話にはあった。 昼食を済ませ、私は今日の行動を思い出しながら職場へ向かった。
(打ち合わせ前に智也君にメールしたから〜やっぱあそこだよなぁ…)
智也君は1つ年下の私の彼。 この智也君の存在も私が秘密にしている事情の1つ。 そして職場に着き、乱雑した自分の机の上を整理していると智也君とお揃いのストラップが書類の隙間から出ていた。
(!!!!?)
慌てて書類を退かすと、落としたと思っていた携帯電話が出て来た。
(あったぁぁ。良かった〜〜〜〜〜ぁっ)
心底、安心した私は直ぐに智也君からのメールをチェックした。 智也君からメールが来ていた。 私は返信に自分のドジっぷりを笑い話に報告した。
(はぁ、でも本当に良かったぁ〜) (あれ?未読がある…誰だろ?知らないアドレス……)
私は智也君以外のメールを受信していたのに気付き、開いた。
(っっ!!!!!!!!!!?) (だっ、誰が!!!!?)
私の顔から一気に血の気が引いていった。 見知らぬ人からのメール・・・ そして携帯電話の画面に表示しているのは私の恥態が写された画像・・・ 私が携帯電話を拾って貰いたくないと思っていた一番の事情を誰かに知られてしまった。 この画面に映る恥態を写したのは私自身だった。 出張で離れる智也君からの要望が切欠だったが最近は自分から撮影をしては智也君へ送っていた。 私は智也君の度が過ぎた悪戯だったと思いたく、智也君へ確認のメールをしてみた。 直ぐに返事が届き、この画像の送り主が智也君では無いと判明した。
(どうしよう…一体……誰がこんな真似を………)
私の体は強張り、携帯電話を持つ右手は震えだした。 目を瞑っていないのに視界は真っ暗になり、意識が遠のく感じに陥った。
ブーーーッブーーーッブーーーッ
「はっっ!!!」
携帯電話のバイブレーターが唸り、驚いた私は携帯電話を机に投げ捨ててしまった。 バイブレーターが唸る時間からするとメールの受信をしたのが分かった。 手を震わせながら恐る恐る私は携帯電話を拾った。 不安と緊張、そして恐怖感に包まれる私は受信したメールを開いた。
【経理課、藤崎優奈の意外な本性を拝見させて頂きました。】 【そして、同じ経理の高木智也と付き合っていたんですね。】 【年下男の チ ン ポ はやっぱ最高?】 【こんなに オ マ ン コ パックリってどんな気分?】 【色々と聞きたいので17:30に打ち合わせ室に来て下さい。】 【来ないなんて事は無いと思いますが・・・】 【その時は、この写真がどうなるか何となく分かりますよね?】 【誰かに話すのも…って話せないですよね】 【PS.顔に似合わずマン毛ボーボーだったんですね(笑)(笑)(笑)】
受信したメールの内容に私の意識は朦朧としてきた。 放心状態の私は何も考えられない、何も手に就かない状態だった。 時間だけが刻々と過ぎて行く。 指定された17:30に近付いて行く。 逃げたかった。 忘れたかった。 何かの拍子で目が覚めて、これが夢で私は布団の中だった。 そんな事ばかり考えていた私・・
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